フィトンチッドは森からの恵み
抽出方法
フィトンチッドを利用するためには樹木の葉や材から蒸留などの方法で精油を抽出します。
精油を抽出する際には、間伐材、廃材や製材時に出るおが屑なども利用されることがあります。
様々な分野への利用
こうして採取された精油は、食品に使われる香料を始め、芳香剤、入浴剤、石鹸、化粧品、育毛剤や口内炎消毒剤などの生活雑貨もしくは医薬部外品として、さらには消臭剤や酸化防止剤として用いられています。また、消炎剤、去痰剤、健胃整腸剤などの医薬品の原料としての利用も進められています。
アロマテラピー
上記の利用は、人体に有効な成分を濃縮して内服、経皮という形をとりますが、近年になって、空気中に放出され、拡散したフィトンチッドが人体に影響を及ぼすことがわかり、古くから伝わる、我が国の香道(聞香療法)や西洋のアロマテラピー(芳香療法)が注目されるに至りました。いわゆる香りの効用と言えるもので、現在でも多くの研究が進められています。
こうした傾向は、森林浴の定着と無関係ではありませんし、現代のようなストレス社会ではストレスの緩和と心に安らぎを与えてくれるものを人間が本能的に求める結果とも言えるでしょう。
更なる応用
今後、フィトンチッドは臨床への応用や院内感染対策などの医療現場での活用、建材や空調への応用による居住環境の改善など幅広い展開が期待されています。
さらに、合成農薬はその残留性が環境や人間に悪影響を及ぼし、深刻な問題となっていますが、天然殺虫剤や天然農薬の開発にフィトンチッドの果たす役割は重要でしょう。
また、畑作物や果実の収穫量増加のために利用するなどのフィトンチッドへの期待は高まるばかりと言えるのではないでしょうか。
弊社はフィトンチッドの利用方法の研究開発を行っています。